★まるじゅう整骨院★
今、存在するセルフストレッチのすべてをまとめてみました。
特に、関節の開く角度が広くなることに効果的なストレッチです。
1人でできるストレッチ(セルフストレッチ)をする際、
いつストレッチをすればいいの?
何秒ストレッチすればいいの?
何セットすればいいの?
何回すればいいの?
こういった悩みにお答えします。
目次
ストレッチのメカニズム
日々にストレッチの強さはどれくらい?痛みはどれくらい?
効率的で効果的なストレッチの時間×回数(部位によって少し異なる)
ストレッチの順番
ストレッチを行うタイミングで一番効果的なのは?(Q&A)
スタティックストレッチのまとめ
◆ストレッチのメカニズム
ストレッチングによって身体が柔らかくなることは明らかです。
この身体が柔らかくなるメカニズムとして代表的なのが「粘弾性の変化」になります。
粘弾性とは、弾性(伸び縮み)と粘性(ねばり)を合わせ持つ性質のことを言います。
では、弾性と粘性とは何なのでしょうか?
弾性とは、身体の組織に引っ張る力が加わると、もとに戻ろうとする性質のことを言います。
これは、バネをイメージするとわかりやすいです。
バネを引っ張ると、直線的に抵抗が増加する力が弾性なのです。
これに対して、粘性とは、固い粘土をイメージしてみましょう。
固い粘土は、グイッと急激に引っ張っても伸びません。
ジワジワと時間をかけて伸ばしていくと、ゆっくり伸びていく感じです。
このように粘性には時間が必要であり、一定時間力をかけていると、時間の経過とともに伸ばされる性質のことをです。
この弾性(バネ)と粘性(固い粘土)の性質を合わせた粘弾性を有しているのが身体の組織であり、筋肉になるのです。
次に粘弾性のしくみについて確認しましょう。
粘弾性のしくみは、下記のモデルをみると理解しやすいです。
弾性を示したバネと粘性を示した固い粘土が入った筒が直列に連結されています(①)。
これを上に引っ張ってみると、まず、バネがグイッと伸びます(②)。
そのまま同じ張力で引っ張り続けると粘土がゆっくり伸びていき、バネは徐々に元の長さに戻っていきます(③)。
それに伴い、引っ張っていた張力は低下し、最終的にはゼロになります(④)。
これによって張力を加えなくてもバネと粘土の長さは伸びた状態のままになるのです。
これがMax wellの粘弾性モデルであり、筋のストレッチングのメカニズムとして提唱されています(Liesegang TJ, 1990)。
これを筋肉で考えてみると、ストレッチにより張力が加わると、まず筋肉の弾性が高まります(バネが引っ張られた状態)。
そのままストレッチした状態で時間をかけているうちに今度は、粘性が低下します(粘土が徐々に形を変えていく)。
この過程を経て、筋肉の柔軟性が高まるのです。これが、ストレッチの即時的効果のメカニズムになります。
ストレッチを行うと血液循環量が増加することが分かっており、この現象が筋疲労からの回復を促進させる生理学的根拠になっています。
◆日々のストレッチの強さはどれくらい?痛みはどれくらい?
日々のストレッチにおける強度は低強度が効果的であると言えます。
Fogelらの報告を参照すると、ストレッチングはVASで4以下である「少し痛い」程度が最も有効です。
※ストレッチの痛みは、弱い痛みのみ慣れるので、強い痛みを与えると、痛みを更に増強させる為、注意が必要です。
◆ 効率的で効果的なストレッチの時間×回数(部位によって少し異なる)
細かく分けると筋肉の大きさや硬さに比例します。
首や腕などの細い筋肉 30 秒×3回
脚などの大きめの筋肉 30秒~5分×1~3回
関節包などの組織 5分~20分(プロロングドストレッチ)・・・少し軽めの力で長く行う
※筋肉のストレッチをしっかりやっていても、身体が柔らかくなってこない場合に、長めの時間のストレッチを試してみる
◆ストレッチの順番
最初に体幹から行います。
体幹の柔軟性を上げるだけで、腕や足の柔軟性が上がります。
次はどこをやってもOKです。
※筋トレをする場合は、体幹を最後に行います。
足等の大きな筋力の場所から行うとより効果的です。
✻縦軸に可動域の角度、横軸にストレッチングの回数を示しています。5回目以降では可動域の増加が認められません。
・ストレッチの頻度で一番効率が良いのは?
週に2〜3日ストレッチングを行うだけで、毎日ストレッチングを行うことと同じ効果があることわかってきました。
◆ストレッチを行うタイミングで一番効果的なのは?
結論、入浴後に行いましょう。
温まった時は筋肉や靭帯も柔らかくなり、無理なく伸ばしやすい状態です。
・ストレッチはどのくらい効果が持続しますか?
即時的な効果は、5分間のストレッチで2時間程度は持続します。
習慣的に行っている場合は、4週間行うと、4週間以上は効果が持続します。
・ストレッチのやり方のポイント
固定する。筋肉の両端のうち、片側を固定する。伸ばす方と固定する方を分けて意識する。
伸ばす部分を意識する。
深呼吸する。5秒かけて大きく吸って、5秒かけて全身完全脱力しながら息を吐く。
・体が固くなる原因は?TOP3
1位 筋肉(40%)。
2位 関節包(30%)。
3位に皮膚(10%)。
ストレッチで筋肉だけを伸ばしても40%しか改善しないので、関節包も考慮しましょう。
※関節包とは、骨と骨が靭帯や腱などでくっついている関節の部分全体を、袋みたいなものが包んでいます。
この袋のようなものが関節包になります。
関節包からはぬるぬるした液体が出ていて、関節の摩擦を軽減しています。
・運動前のストレッチ(スタティック)は行うべきではない。とは本当か?
パフォーマンスを低下させるストレッチは、スタティックストレッチかつ45秒以上の時間をかけたものです。
ストレッチングの強度では、不快に感じるポイント(point of discomfort: POD)を超えるとパフォーマンスが低下しやすいこと、PODを超えない強度では、パフォーマンスの低下を抑えられることが分かりました。
パフォーマンスは、筋力やジャンプ力といった強い筋収縮が求められる場合に低下しやすいようです。
また、ランニングやジョギングなどの弱い筋収縮で行えるパフォーマンスには影響が少ないことがわかりました。
さらに、ストレッチングの時間は90秒を超えるとパフォーマンスに強くネガティブな影響が生じ、30秒以下であれば問題ないとのことです。
このことから、短時間で低強度のストレッチングはパフォーマンスの低下を防止できると結論できます。
<運動前のストレッチ方法のまとめ>
ストレッチングの時間は30秒以下で行う。決して60秒以上では行わない。
ストレッチングの強度は少し不快に感じる程度とする。決して痛みを我慢するようなストレッチは行わない。
ジャンプなどの瞬発力やアジリティの要素が多いスポーツ(バレーボール、バスケットボールなど)では必要以上に行わず、怪我のしやすい箇所のみ短時間、低強度で行う。
パフォーマンスを維持しながらストレッチの筋損傷予防という利点を生かすためには、短時間、低強度でのストレッチングが有効のようです。
◆スタティックストレッチのまとめ
1日に30秒×3セット以上
1週間に3日以上
湯上がりに行う(一番筋線維等が柔らかいから)
少し痛い程度の強さで行う
固い時は関節を揺らしながら行う
呼吸が大切。5秒かけて大きく吸って、5秒かけて全身完全脱力しながら息を吐く。
頑張っているのに関節の可動域に変化がない場合、関節包のストレッチを行う。
※ ストレッチ間のインターバルは15秒(両方交互に行う場合は30秒以上で良い)
以上です。
みなさまも意識的に取り組んでください(^^)/
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